クラッチ&プーリーのアップグレード STEP1

シルバーピジョンC-90

2014年02月02日


前回の修理により、アイドリング時にクラッチが繋がってしまうという症状はおさまりを見せ、とりあえずは修理は成功しました。

 

ただ、前回の動画を見てもわかる通り、まだほんの少しアイドリング時にプーリーが揺れ、クラッチが繋がろうとする気配が見られますので、完治宣言をするには少し微妙な状態でした。

 

そんな折に、ラッキーな事に某オークションにて車種は不明ながら同じシルバーピジョンのクラッチ&プーリーのセットを入手する事が出来ましたので、その部品を使用してアップグレードを実施してみました。


入手部品一覧とその考察

部品名 個数 備考 軸径(mm)
クラッチハウジング 2 鉄球溝なし1/鉄球溝あり1 内径18.?/外径24
クラッチ 2

7mm厚

 

プッシャープレート 2

半円穴タイプ1/貫通穴タイプ1

 

プッシャープレート用バネ 3

 

 
クラッチカバー 1

 

 
クラッチ用ウェイトリング 1

100g

 

プーリー内側 2

 

内径24/外径36
プーリー外側 2 ウェイトローラー8g 内径36
プーリーカバー 3    
バネ 1    
Cクリップ 1    
不明部品 1 C90には該当部品未使用  

部品点数にするとかなりの量となりましたので、まる1日がかりでサビ取り&清掃を実施し、寸法/重量等を計測をしてみました。

 

その結果、各部品はC-90とほぼ同じ造りであるものの、造りはしっかりしていて、おそらくC-90よりも後のモデルで改良がはかられたものであると推測されます。

 

しかし、肝心な軸径に違いがあるため、使用するにはセットで総入れ替えが必要な事がわかりました。


第一の関門突破・・・出来ず!

クラッチ&プーリーをセットで入れ替えてしまうには、クランクシャフトにクラッチハウジングが取り付けられる事が第一関門となります。どちらのクラッチハウジングも表から見ると軸径以外に違いは見られませんが、1個は裏側のキックギアがはまる部分に鉄球(キックギアと噛み合う)を収納する溝が無いので使用できませんでした。どうやらセルスタートのモデル用みたいです。

<表側は軸径以外に違いは見られない>

D7L_3656

<裏側はキックギアと噛み合う鉄球が入る溝がない>

D7L_3686
さらに、もう一方のクラッチハウジングには溝はありましたが、溝の方向がC-90とは逆向きなので、使用出来ない事がわかりました。

<こちらも表側は違いは見られない>

D7L_3683

<裏側に溝はあるが逆向き>

D7L_3659

<左:C-90オリジナル 右:今回の落札品>

IMG_0492

・・・と言うわけで、せっかく入手した大量のパーツ類でしたが、第一関門を突破できずに終わりました・・・。


まずはクラッチのみをアップグレード

・・・と、このまま終わってはせっかく部品を入手した意味が無いので、クラッチハウジングはC-90のオリジナルを使用しながらも、その他の部品は今回入手したものを組み込んで、まずはクラッチユニットだけでもアップグレードをはかる事にしました。

 

というのも、今回入手した二組のクラッチユニットの一方は、プッシャープレートがC-90と少し異なる形状をしており、さらに、三本のバネ(15mm)を使って強制的にクラッチとプッシャープレートを離す仕組みになっていたのです。

<一組はC-90と同じネジが通る穴が半円タイプ>

D7L_3698

<↑に組み合わせるクラッチ板はC-90と同形状で厚さ7mm>

D7L_3689

<もう一組は、ネジが通る穴が真円タイプ>

D7L_3671
<真円を通過したネジにバネがはまりプッシャープレートを浮かす>
IMG_1370

<↑に組み合わせるクラッチ板は少し小ぶりだが厚さは同じ7mm>

D7L_3660

これらの部品はそのままC-90オリジナルのクラッチハウジングに組みつける事が可能でしたので、ネジ穴が真円タイプのプッシャプレートのセットを採用し、車体に装着してエンジンを掛けてみました。

<プッシャプレートとネジのみC-90オリジナルを使用>

IMG_1414

すると、今までアイドリング時に見せていたクラッチが繋がろうとする気配は一切現われず、効果覿面でした。


見落とした14gの差

ところが、いざ走り出して見ると思わぬ不具合が発生しました。というのも、アクセルをかなり開けないとクラッチが繋がらないのです・・・。

 

最初はバネが邪魔をしているのかと思いましたが、クラッチが繋がるタイミングを制御しているのは、クラッチカバーの裏に取り付けられているウェイトリング(おもりが入ったバネの輪で、プッシャープレートをクラッチに押し付ける役割りを果たす)なので、ひょっとしたらその重量が違うのかもしれないと思って計測してみると、C-90のものが114gあったのに対して、今回入手したものは100gしかありませんでした。

おそらくこの14gの重量差により、クラッチが繋がるタイミングが遅れているのでしょう。見た目では全く同じに思えたのでそのまま使用したのが間違えでした。

<クラッチカバー裏のウェイトリング>

D7L_3677

<外見は同じだがC90は114g/入手品は100g>

D7L_3680

ウェイトリングをC-90オリジナルのものに入れ替えて走らせて見ると、アイドリング時のクラッチの安定はそのままで、程よいタイミングでクラッチが繋がるようになり、完全にクラッチ周辺の不具合は解消されました。


次のSTEPへ向けて

今回は、C-90オリジナルのクラッチハウジングに、新規に入手したクラッチ•プッシャープレート•クラッチカバーを組み付けて劇的な改善効果を得る事が出来ました。

 

しかし、このままでは新規に入手したプーリーが無駄に終わってしまうので、軸径の違いを克服する案を考えて、何とかして新しいプーリーも組み付けてみたいと思います。