美濃うだつの上がる町並み探訪

2011年9月11日(

車両:BMW R1100RS

走行距離:201Km

カメラ:NikonD7000


昨日はベスパとともに「K's PIT」でアメリカンダイナーの雰囲気を味わったので、今日はRSとともに「和」を求めて、岐阜県は美濃市にある「うだつの上がる町並み」まで走ってきました。


本当はもう少し遠くへ出掛けるつもりだったのですが、通り雨に見舞われてスタート時間が遅くなってしまったので、こういう時のために温めていたサブプランを急遽発動させたという次第です。


休日の雰囲気を感じながら堤防道路を快走!

川面でジェットスキーや水上スキーに興じる若者たち、河原のグラウンドでサッカーを楽しむ子供たち、ボート競技の大会で覇を競う男たちの向こう岸には数多くのパラグライダーが漂い、さらに上流へ遡ると、白い雲と戯れるかの様に悠々と上空を旋回するグライダーの姿。

こんな素晴らしい日曜日の風景を眺めながら走る事ができるこの道の名は、

 

「清流サルスベリ街道」 

 

長良川西岸を走る堤防道路です。

 

何度かツーリングレポートにも登場しているお馴染みの道ですが、岐阜方面へのツーリングでは何かと重宝するので、今回も岐阜羽島ICを目指してこの道を快走しました。

 

先日オイル漏れを修理したためか、はたまた一時期に比べて少しだけ涼しくなったためか、今日はRSのご機嫌がすこぶる良く、エンジンの回り方やシフトチェンジまでもが軽やかになった様な印象を受けます。

実際には、オイルを交換したわけでも無く、エンジンコンディションには何ら関係のないオイルプレッシャースイッチを交換しただけなのですが、エンジンに関する不安要素が払拭された事により、私のいい加減な五感がそう感じている様です・・・。

 

まあ、こうした2割の既成事実と3割の勘違い、それに5割の思い込みによってバイクのコンディションを感じ取り、走る度に一喜一憂しちゃうのが我々ライダーのお馬鹿な特徴なんですよねぇ〜。(・・・それとも私だけかな?)


快適クルージングで美濃まで

序盤から走りの方は快調なのですが、気になるのが空模様です。先ほどまでの区間では見事な青空が広がっていたのですが、進行方向にはかなり怪しい雲がかかっており、ややもすると今にも雨が振り出しそうな気配です。念のため雨具はトップケースに忍ばせて来ましたが、出来れば使用せずに済ませたいものです・・・。

岐阜羽島ICから進入した東名高速道路では、これ以上でもこれ以下でもないRSの快適巡航速度を維持し、それを支えるためにしっかりと仕事をこなす実直なボクサーツインの鼓動を感じながら、東海北陸自動車道の美濃ICまで軽快に駆け抜けました。

 

一般道へ降りたあとは、事前にチェックしていた交差点名や案内看板をたよりにRSを導き、特に苦労する事も無く本日の目的地の「うだうの上がる町並み」までたどり着きました。


うだつの上がる町並み

入手した観光マップによると、「うだつの上がる町並み」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、「うだつ」が上がる家屋は全部で19棟残されています。それらのほとんどが二本の通りに集約されていて比較的楽に散策出来そうでしたので、マップのルートに沿って一軒ずつゆっくりと、豪華な意匠がほどこされた「うだつ」を鑑賞してまわりました。

一件ずつ個々の意匠の違いを楽しむ事ができる「うだつ」ですが、それらが一連に軒を連ねた光景はさらに格別の美しさがありました。

小坂家住宅と旧今井家住宅

中でも特に異彩を放っていたのが、屋根全体が湾曲した「むくり屋根」の小坂家住宅です。安永(1772〜81年)初期に建てられた造り酒屋のこの建物は大変貴重なもので、国の重要文化財にも指定されています。

美濃市の重要文化財に指定されている旧今井家住宅は、美濃史資料館としても活用されていて、江戸時代の商家様子を今に伝えていました。・・・と言ってもこれはパンフレットの受け売りで、300円の入館料をケチって中には入りませんでした・・・(笑)

「うだつ」について

私自身「うだつ」が残る町並みを散策するのは、2007年の四国ツーリング以来2回目ですが、今回美濃で見た「うだつ」とその時のものとでは外観上に大きな違いがありました。

 

四国ツーリングの際に徳島県で見た「うだつ」は、建物の壁に沿って設けられた「袖うだつ」と言われる物でしたが、美濃のそれは切妻屋根の両端が大きく立ち上がったもので、「本うだつ」と呼ばれています。

 

地域によって「うだつ」の形にも大きな違いがあると言うのがとても興味深いですね。

(徳島県:脇町のうだつ)

(徳島県:貞光の二層うだつ)

(美濃の本うだつ)

「袖うだつ」に「本うだつ」両者の形に違いこそあれ、本来は防火壁であったものに豪華な意匠が施され、富の象徴・成功の証として誇示する対象物となったという経緯は同じで、まさに「うだつが上がらない」人には作ることが出来ない見事な建造物でした。


うだつはなくとも・・・

「うだつの上がる町並み」には、同年代に築かれた「うだつ」がない家屋も沢山残っており、町並み全体の景観をより一層趣深いものにするのに一役買っていました。

でも、話の流れからすると、これらの家には「うだつの上がらない人」が住んでたって事になるのでしょうか・・・(笑)


ゆったりと食の時間を楽しむ

一通り「うだつが上がる町並み」を探訪すると、ちょうどお腹も減ってきたので、「うだつ」が似合うお蕎麦屋さん「幸来家」で盛りそば(大盛り)を美味しく頂きました。店内も「和」の雰囲気を活かした広々とした造りで、ゆったりと食事のひとときをすごす事が出来ました。

さらに、この「うだつの上がる町並み」には、ごらんの様に昔の八百屋の店舗をそのまま利用したお洒落なケーキ屋さんがあったのですが、残念ながら先ほどの盛りそばがお腹にいっぱい残っていて、別腹を作る余裕がなかったので、今回は遠慮しました・・・。

(実はちょっと後悔しています・・・。)


長良川沿いの文化財を見物する

お腹も満たされたので、ここで一度「うだつの上がる町並み」を離れて、観光マップに載っていた長良川沿いの文化財を見物しに行ってきました。

 

ひとつめは、その昔舟運で栄えた上有知湊(こうずちみなと)に残る川湊灯台です。現在も夜になると灯が入るという木製の灯台は、岐阜県の指定文化財となっています。おそらくこの湊から運び込まれた豊かな物資が、「うだつの上がる町並み」の商家の繁栄を築いたのでしょう。

もうひとつは、灯台のすぐ近くに架かる赤い欄干の吊り橋で、日本最古の近代吊り橋といわれる美濃橋です。こちらは、国の重要文化財に指定されているそうです。

日本最古の近代吊り橋というのが微妙な位置づけですが、文化財としては貴重なものだと思われますので、写真に納めておきました。


レトロな空間で珈琲をたしなむ

最後に再び「うだつの上がる町並み」に戻り、昭和レトロなグッズ(売り物)が店内に溢れるお店でアイスコーヒーをいただき、今回のツーリングの締めくくりとしました。

「うだつの上がる町並み」を離れた直後には、ついに心配していた雨に見舞われる羽目になりましたが、幸いな事にRSのフロントスクリーンを軽く濡らした程度で止んでくれたので助かりました。


あとがき

今回のツーリングで探訪した美濃の「うだつの上がる町並み」は、数多くの「うだつ」が残る全国的にも珍しく、かつ歴史的価値の高い建造物群でしたが、その割には日曜日にも関わらず訪れていた観光客はまばらで、ゆっくりと写真を撮りながら散策するには丁度良い感じの落ち着いた雰囲気の町でした。おかげで、久しぶりに質の高い町並み探訪ツーリングを楽しむ事が出来ました。

 

天気の方も、晴れ間が覗いたかと思うと、どんよりとした雲が垂れ込めるという事の繰り返しで、少し写真を撮る際に苦労しましたが、幸い最後まで大した雨に降られる事無くツーリングを終えられた事に感謝しています。

 

ただ、惜しむらくは、お洒落なケーキ屋さんに入るのを敬遠した事と、近くにあった「旧名鉄美濃駅」(往年の路面電車三両を展示)というスポットを見落としてしまった事です・・・。

 

これに関しては、また形をかえて再訪を果たしたいと思います・・・。