ほぼ和歌山一周の旅(前編)

2009年03月28日(

車両:BMW R1100RS

走行距離:354Km

カメラ:Nikon D40X & CASIO W63CA


昨年から続く不況のあおりを受けて、私の勤務先はこの3月にいよいよ一時帰休を実施することになりました。帰休対象日は3月23日〜3月27日の5日間で、前後の所定休日を合わせると、なんと10連休にもなります。

休みは増えても給料が減るので脳天気に連休を喜んでいるわけにも行かないのですが、鬱々とした日々を過ごしていても仕方がないので、せっかくの機会を有効に使おうと思い、景気対策として政府が打ち出した高速道路の料金値下げを見込んで、泊まりでのツーリングを計画しました。

当初の予定では、3月21・22日をツーリングにあて、翌日以降の帰休期間をのんびり過ごしてツーリングの疲れをとろうと思っていたのですが、肝心の高速道路値下げが開始されるのが3月28日となってしまったので、予定を変更して3月28・29日にツーリングに出る事にしました。

今回のツーリングの目的地は和歌山県にしました。和歌山へは、春を感じる紀の国めぐり霊験あらたかなる高野山をめざしてと過去に二回ツーリングで訪れているのですが、今回は泊まりでのツーリングなので、日帰りでは困難だった本州最南端の地「潮岬」と、さらにその先にある「熊野三山」を目指すことにしました。


和歌山へ向けて出発!

今回のツーリングは、長い帰休期間のおかげで準備万端で当日の朝を迎える事が出来ました。ただ、4月も目前なのに2月下旬並みの寒さがつづくというここ最近の天候不順により、ウェア選択だけは直前まで頭を悩ませたましたが、最終的には耐寒ジャケットと革パンを着用し、下にパッチを履き込むという完璧な真冬の装備でツーリングをスタートさせました。


姫路バイパスに上がったのは午前7:00でしたが、本日から始まった高速料金値下げの影響なのか、意外にも多くの車が走っていました。交通量は多いものの車の流れはスムーズなので、流れにのって高砂バイパス→第二神明道路と順調に駆け抜けていきます。須磨料金所を通過して阪神高速に進入する際に阪神高速の値下げを体感出来るかと思ったのですが、ゲートで表示された金額は700円(阪神高速分は500円)といつも通りでした。これって請求時に精算されるのかな?ちょっと期待はずれでした。

京橋からはハーバーハイウェイに乗り換えて、神戸の美しい景色を楽しみながら湾岸線に合流します。湾岸線も流れは快調で、5号線から4号線へと順調に大阪の港湾部を南下していきます。湾岸線の順調な流れとは対照的に、電光掲示板は西宮北〜吹田で18kmの渋滞が発生している事を知らせていました。早くも高速料金値下げの影響が出ている様です。阪神高速経由のルートを選択したのは正解でした。

りんくうJCTで関西空港道に合流して阪和道を目指しますが、ここでは自車線を走る車は皆無という、おおよそ都会の高速道路とは思えぬ珍しい状態で、高速道路を独り占めさせてもらいました。この様に、交通状況はきわめて良好なのですが、あまりよろしくないのがお天気です。出発直後には陽が差していたのですが、いつの頃からか太陽は雲におおわれてしまい、いっこうに気温が上がりません。冬装束に身を包んでツーリングをスタートさせたのは正解でしたが、予想以上の冷え込みです。そろそろ寒さにも耐えきれなくなってきたので、阪和道へ合流後すぐに紀ノ川SAへ飛び込み、ホットコーヒーで冷え切った身体を温めました。

 

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高速道路千円を体感

人心地付いたので、紀ノ川SAを後にして快調に阪和道を南下して行きますが、しばらく走ると海南〜有田間で6kmの渋滞を告げる電光掲示板の表示が目に飛び込んできました。いよいよ高速料金値下げの洗礼を受ける事になるのでしょうか・・・。

阪和道は、和歌山ICを過ぎたあたりから車線が減少して対面通行になっていました。確かにこれだと交通量が多いとすぐに渋滞しやすそうです。それでも流れは快適だったのですが、電光掲示板の表示通り、海南あたりから渋滞が発生していました。ここで足止めを食らうのは避けたかったので、路肩走行で渋滞を回避を試みましたが、
残念ながらトンネル内は路肩のスペースが狭く、すり抜けは無理でした。ただ、少しずつでも動きがあったので、さほど大きな足止めにならずに済んだのが幸いでした。また、皮肉なことに、渋滞で動きが悪かったトンネル内がとても暖かく、冷え切った身体にはとてもありがたいものがありました。(トンネル内を渦巻く排気ガスはありがたくないですが・・・)

渋滞区間を無事通過したあとは、再び快適な流れを取り戻し、阪和道の終点である南紀田辺ICまで一気に走破する事が出来ました。ETCゲートを通過する際に、通行料金が「¥1,000」と表示された時には思わず感激しました(笑)


とれとれ市場

南紀田辺ICを通過したあとは、田辺バイパス→県道33号線と通過し、最初の目的地である「とれとれ市場」に到着しました。「とれとれ市場」は、「新鮮な魚介類が豊富に並ぶ漁協直営の海鮮市場」というツーリングマップルの説明通り、南紀地区の人気スポットになっています。

本当にたくさんの海の幸が並んでいましたが、私が昼食に選んだのは鮮魚コーナーに並んでいた「大トロにぎり」です。お値段は1,500円と少々高めでしたが、その味はまさに格別!「俺が今まで食べてたマグロって、いったい何やったんや?」と思えるほど、とろける様な甘みがありました。時間は11:00と少々早めでしたが、大満足の昼食タイムとなりました。

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千畳敷

「大トロにぎり」の余韻を引きずりながら、次の目的地を目指します。

・・・といってもさほど遠くはなく、要所ごとに設けられている案内看板を頼りに、温泉情緒漂う白浜の海岸沿いにRSを走らせていくと、いとも簡単に次の目的地である「千畳敷」に辿り着く事が出来ました。

「千畳敷」とは、打ち寄せる波によって砂岩でできた岩盤が侵食される事により、複雑怪奇な景観を織りなしている海岸線に広がる景勝地の事で、その広さが畳千畳分にも相当する事からそう呼ばれています。ちなみに「千畳敷」という名称は日本各地にあるようで、広大な景勝地の事をさす名称として広く使われているようです。

さすがに白浜温泉のすぐ近くにある観光スポットだけあって、多くの人が訪れていました。ただ、吹き抜けていく風がかなり冷たく、みんな口々に寒さを訴えていました。ニット帽を持参しておいて良かったなぁ。

風と波によって造りあげられた天然の造形は、眼前に横たわる太平洋と見事な調和を見せ、とても素晴らしいものがありましたが、その造形美を生み出す基となる柔らかい岩盤があだとなり、沢山の落書きが刻み込まれていたのが少し残念でした。

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三段壁

次に、 白浜海岸のもう一つの岸壁スポット「三段壁」へと移動します。「千畳敷」からはさほど離れておらず、RSのシフトを5速に入れる間もない程の距離でした。この「三段壁」は、海岸線にそびえ立つ高さ50メートル以上もある断崖絶壁で、その総延長は2kmにも及びます。鋭角に切り立った岩肌がその急峻さを物語っていました。嘘か誠か、自殺の名所と呼ばれているのも思わず納得です。

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夫婦波観潮 恋人岬

「三段壁」をあとにして、どことなく南国ムード漂う県道34号線を駆け抜けて国道42号線へ合流します。広大な紀伊半島の海岸線のほぼ全域をカバーする国道42号線は、本日のツーリングのメインルートとなっています。私とRSは、移りゆく海岸線の景色を楽しみながら、本州最南端の地である「潮岬」を目指して、この国道42号線を駆け抜けて行きます。

すさみ町に入ってしばらくすると、前方に「陸の黒島・沖の黒島」が見えてきました。ここでは「陸の黒島」に当たって二つに裂けた荒波が、正面の「恋人岬」との間で再びぶつかりあう「夫婦波」と呼ばれる現象を見ることが出来たらしいのですが、私が訪れた時は干潮だった様で、残念ながら「夫婦波」がぶつかり合うさまを見ることは出来ませんでした。

でも、この看板って、文字の一部が脱落しているのはご愛敬としても、「夫婦」の文字の配列が逆の様な気がするのですが・・・。

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本州最南端の地へ

すさみ町から串本町に入ってからも走りは快適で、初めて目にする串本の風景にツーリング心を昂ぶらせながら、本州最南端の地「潮岬」への行程を走りきりました。やはりこのあたりは気温が高いのか、「潮岬」をぐるりと周遊する県道41号線の沿道の桜の木は、すでに葉桜になりかけていました。

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潮岬灯台

「潮岬」では、まず最初にそのシンボルとも言える「潮岬灯台」へ訪れてみました。「潮岬灯台」は、明治初期に建設された歴史的価値の高い灯台で、「日本の灯台50選」にも選ばれている本州最南端の灯台です。

ここには観光客のための有料駐車場がありましたが、バイクは無料で灯台の敷地前まで進むことが出来ました。ただし、敷地内へ入るためには入場料が必要(200円)です。入場料を支払い、灯台内の急峻で狭い螺旋階段を登り、さらにハシゴを登って展望デッキへ出ると、360℃のパノラマが待ち受けていました。

私は、今回の「潮岬灯台」への訪問で「日本の灯台50選」のうち6個目の灯台を制覇した事になるのですが、デッキに登って景色を楽しめる灯台は今回が初めてでした。ツーリングマップルのコメント通り、地球の丸さを実感する事が出来ました。

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「潮岬灯台」から少しだけ移動した先にある「潮岬望楼の芝」には、ここが本州最南端の地であることを示す碑が建てられていました。ここから先は、見渡す限りの大海原で、沖に浮かぶ船以外には何もなく、最果て感が色濃く漂っていました。

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橋杭岩

再び国道42号線に戻り、最寄りのガソリンスタンドで燃料を補給してから、次の目的地へむけてRSを走らせます。しばらく走ると、町並みの向こうに、まるで天を突くかのようにそそり立つ巨大な岩陰が見えてきました。これが次の目的地「橋杭岩(はしぐいいわ)」です。

「橋杭岩」とは、海岸から天に向けて突きだした巨大な岩が、約850mにもわたりほぼ一直線に並ぶ不思議な岩石群の総称で、その姿がまるで橋の杭のように見えることから「橋杭岩」と呼ばれる様になったそうです。その大きさと存在感はまさに圧巻でした。

この地に残る伝承によると、天の邪鬼と沖合の島まで橋を架けられるか賭けを行っていた弘法大師が、負けを恐れた天の邪鬼に騙されて橋を完成させる事無く立ち去ったため、杭だけが残ったためにこの様な状態になったのだそうです。たった一晩でこれだけの物をつくりあげるとは・・・、弘法大師恐るべし(汗)

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これで予定していた見どころはすべて回りましたので、本日のお宿「万清楼」がある那智勝浦町まで走り、勝浦の湯で旅の疲れをゆっくりといやしてツーリング初日を終えました。