ちりめん街道探訪

2008年06月01日(日)

車両 :BMW R1100RS

走行距離:261Km

カメラ:Nikon D40X


京都府与謝郡与謝野町加悦(かや)。

天橋立までの快走ルートである国道176号線の途中にある町で、今までは、加悦大橋からの眺めが美しいという印象があるだけで、道の駅で休憩をとるだけでこの町に立ち寄る事はありませんでした。

ところが、とあるホームページで、この加悦の町は丹後ちりめん発祥の地で、江戸時代から昭和初期にかけてたいそうな賑わいを見せており、旧街道沿いには往時をしのばせる古い町並みが沢山残っているという事を知りました。ちょうどリヤフレーム修理後のRSのリハビリにも程よい距離なので、この加悦の町を探訪してみる事にしました。


いきなり予定変更

今回は、国道9号線を使って目的地を目指したかったので、播但連絡道を使って一気に兵庫県北部まで走るつもりで姫路バイパスへ上がりました。ところが、予定通り播但連絡道へ分岐しようとしたところで、ETCのインジケーターが点灯していない事に気づきました。このままではETCは使えないので、播但連絡道へは入らずバイパスを東進して加古川西ICまで走り、そこから県道を使って北上するルートをとりました。いきなりの予定変更です。
 
「バイク屋め、リヤフレーム交換の際に、ETCの配線を接続し忘れたな・・・。」(←実際その通りでした。)と心の中で愚痴りながら県道を北上し、この先どのルートを使おうかと思案しながら加西市まで走ったところで、ふと先週の新聞記事を思い出しました。この加西市のお隣の西脇市に、昭和初期に建てられた小学校の校舎が今も現役で活躍しているというのです。ちょうど良い機会なのでこの小学校を見ておこうと思い、西脇市に向けて進路をとりました。


西脇小学校

県道を快走して西脇市に入ったあとは、町中を少しだけ迷走しましたが、「助手席ナビ」の力を借りて無事目的の西脇小学校へたどり着きました。
 
この西脇小学校は、明治6年開校というとても歴史のある学校で、現在の校舎は昭和9年に建てられたという由緒正しき洋風建築です。平成元年に改修工事が行われたあとも、現役の校舎として立派に活躍しています。そして、その歴史的価値が評価され、このほど兵庫県から「景観形成重要建造物等」の指定を受けるに至りました。
 
休日の穏やかな日差しを受けてまばゆく輝く美しいその校舎は、実写版の「火垂るの墓」のロケでも使われたのだそうです。 

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加悦の町まで

西脇小学校から少し北へ走ったところに「北はりまエコミュージアム」という道の駅があったので、そこで少し休憩をとったあと、国道175号線を北上して福知山経由で国道176号線へ乗り入れました。

国道175号線は、ローカルな国道の割には交通量が多く、イマイチ走りは楽しめませんでしたが、国道176号線に入ると車の量も減り、途中からはほぼ単走状態となり、気持ち良い走りを楽しみながら加悦の町まで辿り着きました。


旧加悦町役場(花皆憧)

加悦の町に入ると、この町のシンボルともいえる旧加悦町役場横に設けられた駐車場にRSを停め、建屋内の観光案内コーナーでマップを手に入れ、「ちりめん街道」と名付けられた旧街道沿いの探訪を開始しました。
 
この旧加悦町役場は、昭和4年建立という歴史のある建物で、「京都府指定文化財」として登録されています。現在では、花皆憧(はなかいどう)と呼ばれる喫茶店兼みやげもの屋として利用されています。

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旧藤尾家住宅

次に、この地で江戸時代からちりめん問屋として栄えた旧尾藤家住宅を訪問してみました。この旧尾藤家住宅は、初期の建物が幕末の慶応元年(1865年)に建てられ、その後の明治・大正にかけては座敷や蔵などが増築され、昭和5年に洋館が加えられて現在の形になったのだそうです。
 
平成14年に「京都府有形文化財」に指定され、同年11月に尾藤家より加悦町へ建物がが寄進されたたため、加悦町では約1年間かけて保存修復工事を行った後、一般公開をしています。入館料として200円が必要ですが、係員の方がつきっきりで案内していただけるので、その価値は充分にありました。季節に合わせた調度品が美しく展示されていたりして、とても良い雰囲気でした。

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敷地中程にある洋館部分です。この洋館建築は、明治時代の11代当主の悲願だったそうで、あらゆる所に豪華な意匠が施されていました。

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中庭から眺めてみると、この建物の全貌がよく分かります。

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当時の繁栄ぶりを物語るかの様に、建物の至るところに贅をつくした凝った意匠や、時代を感じさせる懐かしい生活用品などを目にする事が出来ました。その他にも、尾藤家の歴史を紹介する映写室や、蔵を改装した資料展示室など、たくさんの見所がありました。


街並み探訪

見応えたっぷりの旧尾藤家住宅の鑑賞を終えた後は、ちりめん街道の観光マップの順路に従い、旧街道沿いに残された味わい深い建物の数々を探訪しました。街道沿いの民家の軒先には、統一された「ちりめん街道」の暖簾が掲げられていて、町をあげて「ちりめん街道」を盛り立てていこうという町の人々の気持ちを感じ取る事が出来ました。

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加悦町レトロ

街道沿いに残る商店のショーウィンドウには、ちょっとレトロな展示物が飾られていて、歴史と伝統のある町並みに彩りを添えていました。

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伊藤医院診療所と杉本家住宅

街道の南端には、木造二階建ての洋館がありました。この洋館は大正6年に建てられた西洋医学の診療所で、当時漢方医学中心の地域医療の中にあって、町の近代化の証しとも言える存在だった様です。玄関まわりに施された当時の腕利きの左官職人による漆喰装飾のレリーフが実に見事でした。

伊藤医院のお隣には、かつて丹後最大のちりめん工場であった杉本家住宅があり、随所に往時の面影を見る事が出来ました。屋敷の前にはそれを物語るかの様に、ちりめん発祥の地の碑が建てられていました。

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旧加悦鉄道加悦駅舎

「ちりめん街道」の東の外れには、大正15年に建てられたという洋風2階建ての旧加悦鉄道加悦駅舎がありました。この駅舎の中には、今はなき加悦鉄道を紹介する資料や当時の機材や備品等が沢山展示されていました。「日本の駅100選」に選ばれているとの事でした。

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「ちりめん街道」の探訪も一通り終えたので、最初に訪れた旧加悦町役場まで戻り、建屋内の喫茶店でカレーセットを美味しく頂き、加悦の町を後にしました。

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帰り道

加悦の町を離れた後は、国道176号線から県道63号線に分岐し、神懸峠・小坂峠という二つの峠を越えて夜久野町まで走り、2003年のツーリング「R175号線を北上する」で写真に納めたレトロなモービル看板が残っている事を確認したあと、和田山から播但連絡道に上がり、姫路までノンストップで帰ってきました。


あとがき

今回は、丹後地方に残る古い町並み、加悦の「ちりめん街道」を探訪してみました。訪問が日曜日だったため、あいにく機織りの音を聞くことは出来ませんでしたが、味わい深い町並みの中に、ちりめん生産が盛んだった頃の面影を見て取ることができました。
 
これからも、各地に残る古い町並みを探し出し、RSと共に訪れたいと思います。