消えゆくヴォーリズ建築をしのぶ旅

2007年01月27日(

車両:BMW R1100RS

走行距離:130km

カメラ:CANON IXY DIGITAL450


そのニュースは何の前触れもなく突然私の耳に飛び込んで来ました。
神戸市須磨区にあるヴォーリズ建築の邸宅「旧室谷邸」が解体されると言うのです。

私は明治〜昭和初期にかけて造られた洋風建築が大好きで、それらの建築物を目的にツーリングに出かけたりする事もあるため、今回解体される「旧室谷邸」もその存在はかなり以前から知っていました。ただ、個人の住宅なので、今まではその前を通過するのみで、じっくりと足をとめて観察した事はありませんでした。

ツーリングの距離が伸びないこの時期に、神戸・須磨方面の洋風建築を巡る旅を企画して、そろそろ「旧室谷邸」を訪問してみようかと思っていた矢先だっただけにとても残念です。それでも、完全に解体されてしまう前に、「旧室谷邸」の最後の雄姿を見に行こうと思い、RSに乗って出かける事にしました。


高速で須磨まで

朝から青空が広がっていましたが、風が強くて少し肌寒く感じられましたので、耐寒ジャケット・革パン・オーバーパンツなどの防寒対策を整え、RSのエンジンに火を入れて姫路バイパスに上がったのは午前10:00でした。

須磨に向かって姫路バイパス→加古川バイパス→第二神明道路とひたすら高速走行を続けます。寒さのせいか反対車線を走るバイクはほとんど見かませんが、なぜかパトカーが次々と反対車線を駆け抜けて行きます。今日は交通取り締まりの強化デーなのかな?気をつけて走る様にしましょう。

須磨ICで一般道へ合流し、県道65号線を南下して離宮公園交差点へ差し掛かると、左斜め前方にひときわ大きな洋風建築が現れます。それが本日の目的地である「旧室谷邸」です。


旧室谷邸

現地へ到着してみると、すでに既に足場が組まれて解体工事が進行中でした。とりあえず手頃なスペースにRSを停め、カメラ片手に「旧室谷邸」の周りを散策してみました。

この「旧室谷邸」は、ヴォーリズによって設計され、昭和9年に完成した地上三階、地下一階建ての洋風建築で、レンガの壁に柱や梁(はり)が露出した英国伝統のチューダー様式を採用した名建築です。国登録有形文化財にも指定されていました。

この建物を2005年に我が姫路市の不動産業者が購入し、美術品の展示に使用しようと思って調査したところ、主屋の傾斜が進み、湿気による内装の腐食が激しいことが判明したため、この不動産業者が文化庁に全面解体を行う「現状変更届」を提出し、今回の解体劇に至ったというわけです。

解体工事進行中であったため、さほど色んな場所から観察できたわけではありませんが、雨どいや窓枠などにも見事な意匠が施され、この建物が長い間風雨に耐えながらも保ち続けて来た、昭和初期の息吹を感じ取る事が出来ました。

「旧室谷邸」の屋敷全体を見渡すことが出来る離宮公園交差点の歩道橋の上では、私と同じ様に「旧室谷邸」の解体を惜しむ人達が、「旧室谷邸」の最後の雄姿を写真に納めていました。

56732
56745

舞子ホテル

「旧室谷邸」の観察を終えたので、この後の目的地をどこにするかを検討してみました。眼前に広がる須磨の海の上を、ジェット機がゆっくりと降下していく姿が見えたので、神戸空港まで足を伸ばしてみようかな?とも思いましたが、何となくこのまま洋風建築巡りを続けたい気分だったので、この機会に今まで訪れた事のない洋風建築を探訪しながら姫路まで戻る事にしました。

国道2号線を西へ向かって走り、須磨の海岸線を気持ちよく駆け抜けると、前方に巨大な明石海峡大橋が現れます。その明石海峡大橋が横たわる近辺の街が古の観光地として栄えた舞子です。この舞子の高台の上に、大正8年建設の「舞子ホテル」(旧日下部邸)があります。その存在を知りながらも、まだ一度も訪れた事がなかったので、これを期に訪問してみる事にしました。

「舞子ホテル」までの道程を示す小さな看板を頼りに高台を上っていくと、近代的なマンションの裏手に、松林に守られながらひっそりと「舞子ホテル」は建っていました。海運王の別荘として建てられ、高級船員の宿舎や接待のために使われていたあというだけあって、細部に豪華な意匠を施した見事な洋風建築でした。

56752
56753

舞子公園

神戸淡路鳴門自動車道に沿うように設けられた新しい道路を使って高台を一気に駆け下り、しばらく舞子公園で休憩する事にしました。昨年の第一弾ツーリング「行き当たりまったりの旅」でもここに立ち寄ったので、詳細は割愛しますが、洋館繋がりという事で、孫文ゆかりの「移情閣」も再び写真に納めておきました。

56759
47045
56757
56765
56768

明石焼を食す

神戸淡路鳴門自動車道に沿うように設けられた新しい道路を使って高台を一気に駆け下り、しばらく舞子公園で休憩する事にしました。昨年の第一弾ツーリング「行き当たりまったりの旅」でもここに立ち寄ったので、詳細は割愛しますが、洋館繋がりという事で、孫文ゆかりの「移情閣」も再び写真に納めておきました。

 

56771

旧高砂銀行本店

腹ごしらえも済んだので、最後にもう一つだけ洋風建築を見てから帰る事にします。第二神明道路→加古川バイパスを使い、加古川西ICで一般道に合流してから高砂市へ入ります。
この高砂市の商店街の中に、兵庫県の景観形成重要建造物に指定されている「旧高砂銀行本店」があります。

人影まばらな寂れた商店街の中をゆっくりとRSで進んで行くと、ひときわ異彩を放ってそびえ立つ「旧高砂銀行本店」の姿がありました。現在は、高砂商工会議所として使用されている様です。

この建物も「旧室谷邸」とほぼ同時期の昭和7年に建設されたもので、他の洋風建築と同様に柱や梁に豪華な意匠が施してあり、周囲を圧倒する重厚感が漂っていました。

56773
56775
56776

「旧高砂銀行本店」を観察したあとは、明姫幹線経由で姫路バイパスに上り、そのまま家を目指すことにしました。バイパス走行中に少しだけ雨がパラつきましたが、他には大したイベントもなく無事に家まで帰ってきました。


まとめ

今日は、「旧室谷邸」の最後の雄姿を見に行く事をきっかけとして、洋風建築を巡る旅としてツーリングをまとめてみました。春の暖かい陽射しに包まれるまでは、どうしてもツーリングの距離が伸びないので、この時期を利用して近距離ツーリングを兼ねて、垂水〜神戸間の洋風建築を巡る旅を重ねるのも良いかもしれませんね。