洋風建築を巡る補完ツーリング

2007年02月12日

車両:BMW R1100RS

走行距離:165km

カメラ:CANON IXY DIGITAL450


建国記念日をはさむ三連休、好天に恵まれツーリング日和が続きましたが、初日・二日目と家庭の用事のために走りに出る事が出来なかったため、最終日である本日RSに乗ってツーリングに出る事にしました。

目的地選びに少し手間取りましたが、結局前回のツーリングの流れをくみ、神戸市垂水区に残る洋風建築を散策する事にしました。この地域には、前回のツーリングで見ていない洋風建築がまだいくつか残っているので、ツーリングの距離が伸びないこの時期に、一挙に制覇してしまおうと思ったためです。


行きは渋滞

朝起きるのが遅く、さらに目的地選びにも手間取ったため、出かける準備を始めたのは午前10:00過ぎでした。寒さに負けない様に、上はブレスサーモシャツ・長袖Tシャツ・マイクロフリースハイネック・フリースジャケット・耐寒ジャケットの5枚重ね、下はブレスサーモのパッチ・革パン・オーバーパンツの3枚重ね(パンツを除く)という、いつもの真冬のモコモコセットで出かけました。

姫路バイパスに乗ってRSを走らせていると、電光掲示板から「加古川IC〜加古川東IC間 事故渋滞中」という不吉な情報が流れてきました。三連休で車の多い時に迷惑な話です。これはどこかで一端バイパスを下りないといけないかも・・・。しばらくは車の流れに乗って走行車線を快調に走っていましたが、事故の影響は予想外に大きく、問題の加古川IICのはるか手前から渋滞が発生していました。

かなり長距離の渋滞になりそうなので、すり抜けをしながら先を目指しますが、すり抜けばかりでは気疲れしてしまうので、加古川ICでいったん一般道に下りました。今年は前厄なので、危ないことは避けないとね・・・(笑)

本線の様子を見ながらバイパスの側道を走り、事故地点を過ぎて渋滞が解消した事を確認した上で、加古川東ICから再びバイパスに上りました。その後は快調なペースでRSを走らせ、ETC効果を発揮させながら第二神明道路を名谷ICまで走り、本日の第一目的地である「三洋電機:望淡閣(旧ジェームス邸)」まで直行・・・。と行きたかったのですが、残念ながらジェームス山へ向かう道中で、いつも通り迷走を続けてしまいました。


ジェームス山を迷走

ジェームス山とは、垂水近辺にある高台の通称で、高級住宅地としても有名な場所です。「なんで山の名前がジェームスやねん?」というツッコミを入れたくなる様な名前ですが、これは昭和初期にイギリス人貿易商のジェームスさんが、この瀬戸内海を一望できる風光明媚な高台の上に、自らの邸宅を含む60棟以上のイギリス人向けの住宅地を築いた事に端を発しているのだそうです。

古くから高台に築かれた高級住宅地と聞いて想像できる様に、家がぎっしりと建ち並び、狭い道が迷路の様に入り組んでいます。変な所に入り込むと袋小路になっていたりして、とても走りにくいところなのです。なので一方通行も多く、慣れない人が迷い込むと大変な目に遭います。

ただ、今回は、ジェームス山の中で迷ったのではなく、ジェームス山へ向かうまでの道中で迷走してしまい、あとから地図を見直して見ると、ジェームス山の周りをほぼ一週していました。途中で「ジェームス山教習所」への案内看板を見つけたので、その案内看板通りに走ってジェームス山に進入したあとは、比較的あっさり目的地の「三洋電機:望淡閣(旧ジェームス邸)」を見つける事が出来ました。


三洋電機:望淡閣(旧ジェームス邸)

「三洋電機:望淡閣(旧ジェームス邸)」は、このジェームス山を拓いたジェームス氏が昭和9年に建設した私邸で、ジェームス氏の没後に、その邸宅とイギリス人住宅地を三洋電機の創始者である井植歳男氏が買い取り、自らの邸宅として使用していたもので、現在は三洋電機の迎賓館として活用されています。

閑静な住宅街の中に横たわるひときわ大きな門構えの向こうに、その名の通り淡路島を望むことが出来る楼閣とともに、立派な洋館がひっそりと佇んでいました。 残念ながら内部は公開されていないため、建物の外側からしか見る事は出来ませんでしたが、かなり規模が大きく立派な洋館でした。海に面した南側には、茶室をそなえた見事な庭園があり、ジェームス氏の繁栄を感じ取れるとともに、由緒正しき迎賓館としての風格を感じられました。

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屋敷の北西角には、使用人の住居であったと思われる建物が建っていました。どうやら1Fが車庫で2Fが住居になっている様でした。近所を散策してみると、路地から美しい垂水の海が一望出来ました。いいロケーションですね。

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後藤邸&旧グッケンハイム邸

「望淡閣」をあとにして、国道2号線を東へ向かって走ります。この少し先に、去年のツーリング「御影公会堂でオムライスを食す!」で立ち寄った「旧ジョネス邸」があるので、神戸市垂水区の洋館巡りという雰囲気を出すために、もう一度立ち寄っておこうと思ったためです。

少し走ると間もなく右手に「旧ジョネス邸」が見えてきましたが、反対車線は交通量が多く、なかなかUターンが出来そうになかったので、いったん「旧ジョネス邸」の前を通過し、車の列が途切れてからUターンをしようと思ってそのまま直進しました。
なかなか車の列が切れないので仕方なく直進していると、線路をはさんだ前方の小高い丘の上に、洋風建築の邸宅が並んで建っているのが目に入りました。しかも、この建物はネットで見覚えがあります。これが「旧後藤邸」と「旧グッゲンハイム邸」でした。

「旧後藤邸」は、明治40年に建設された赤い縁取りのトンガリ屋根が特徴的な建物で、現在は神戸市の所有物となっています。
その向かいにある美しいバルコニーが特徴的な建物は「旧グッゲンハイム邸」で、地元では塩屋の異人館という名前がつけられているそうです。近年まで竹内油業という会社の社員寮として使われていたそうです。なんともハイカラな社員寮ですね。

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旧ジョネス邸

それにしても今日は暖かい、というよりむしろ暑い・・・。こうしてバイクを停めて歩き回って散策していると汗ばむぐらいです。さすがに暖冬ですね。まあ、私の場合は着込みすぎというのもあるかもしれませんが・・・(笑)なので、フリースジャケットを脱いでトップケースにしまい、先ほど通過した「旧ジョネス邸」へ向かいました。

昨年の「御影公会堂でオムライスを食す!」で立ち寄り、前回の「消えゆくヴォーリズ建築をしのぶ旅」の時も前を通過した「旧ジョネス邸」は、大正8年に建造された塩屋を代表する洋風建築です。今回は、前と違う角度から写真に納めてみました。

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舞子倶楽部(旧武藤邸)を目指して迷走

「旧ジョネス邸」を写真に納め、再び国道2号線を西へ向かって走り出したのは、お昼を少し過ぎた13:00頃でした。予定では、このあと舞子近辺にある「舞子倶楽部(旧武藤邸)」を見物するのみですので、全ての見所を回ったあと、前回のツーリング同様明石焼きで締めれば、キリッときまったツーリングになると思い、先に「舞子倶楽部」を目指しました。

ネットで下調べをした際の地図では、「舞子倶楽部」は県道487号線沿いにあり、比較的分かりやすそうな場所だったので、さほど苦労もせずにたどり着けるだろうと思っていたのですが、これが大間違いでした・・・。そもそも県道487号線がどの道かすらわかりません・・・。

RSに乗ってかなり長い間迷走を続けましたが、手がかりすらつかめないまま時間が過ぎていきました。腹も減ってきたので、腹ごしらえをしながらツーリングマップルを見直してみようと思い、あっさりと明石焼きをあきらめて適当なコンビニに飛び込み、ハムカツサンドと缶コーヒーで腹を満たしました。


厄年のたたりか・・・

ツーリングマップルを見直して、大体の位置を把握したので、再び「舞子倶楽部」を目指してRSで走ります。ようやく県道487号線らしき道を発見したので、これで「舞子倶楽部」の発見も間近だと思いきや、なかなか見つかりません。おかしい・・・どう考えてもこの道筋にあるはずなんだか・・・。再び位置の確認をしようと思い、海が見渡せる高台の住宅地の歩道脇にRSを停め、再度ツーリングマップルを開きます。やはり場所に間違えは無さそうなんですが・・・。もう一度同じルートを辿ってみようと思い、再びRSに向かいました。

通行の妨げになっていはいけないと思い、RSを歩道側の植栽いっぱいに寄せて駐車していたたので、車体の右側からRSに跨りました。シートに腰を下ろし、RSのハンドルに手を掛けようとすると、なぜかRSが少しずつ左側に傾いていきます・・・「え?あれ?あれ?・・・なんで?」何が起きたのかわからないまま、気がつくとRSが歩道の植栽にもたれ掛かる様に横倒しになっていました・・・。

 

「ま・・・まじかよ・・・!」

ひょっとしてコレって立ちゴケというヤツか?転けた自覚はないのですが、現象としては見事な立ちゴケです・・・。災難ではあるものの、ツーレポネタとしては面白い!カメラを取り出して植栽に横たわったRSを写真に納めようかと思っていたところ、その一部始終を見ていた近所の方がすぐにRSを起こすのを手伝いに来て下さったので、この記念すべき姿を写真に納めるのはやめました。どうもありがとうございました。

しかし、起こしたRSのサイドスタンドを見てみると、ちゃんとスタンドは出ていたので、実際のところ何でRSが転けたのかよく分かりません。まるで狐につままれた様な感じですね。これも厄年(前厄)のせいなのでしょうか・・・。


舞子倶楽部をあきらめて

その後も「舞子倶楽部」を探して迷走を続けましたが、結局それらしい建物を見つける事が出来ず、時刻も15:00を過ぎて車の量も多くなってきましたので、「舞子倶楽部」を諦めて家路につく事にしました。

大蔵谷ICから第二神明道路へ上がり、姫路へ向かってRSを走らせます。先ほどまでの迷走で、RSにもフラストレーションの溜まる走りを強いていたので、ここではRSが求めるままにアクセルをあけ、快適速度での巡航を続けました。

対向車線に目を移すと、私と同じように暖かい陽気に誘われて走りに出た沢山のライダー達が、次から次へと駆け抜けていきます。例年の今の時期では考えられない様な多さです。暖冬とはいえ、この時期に走りに出る人たちはさすがに好き者が多いと見え、珍しいバイクを沢山目にする事が出来ました。

対向車線のバイク達に目を楽しませながら走っていると、見覚えのあるシルエットのバイクがRSのミラーに写りました。間違いなくこのシルエットはK1200Sです。K1200Sは私のRSの後塵を浴びるのが嫌と見えて、ジェット機の様な加速音とともに(←大げさかな)私のRSを左側から抜き去り、わざわざ私のRSと前の車との間に割って入りました。その行為に何の意味が・・・・。


帰りも渋滞

土山料金所を通過し、加古川パイパスへ入ってしばらく走ると、前方のトラックがハザードランプを点滅させているのが目に入りました。どうやらまた事故渋滞の様です。しかも、渋滞の距離も半端じゃなさそうです・・・。この辺りは一般道へ迂回しても渋滞しているのは目に見えているので、このままバイパスを延々とすり抜け走行する事にしました。この時は、もう厄年の事など忘れ去っていました・・・(笑)

渋滞は、加古川市内を抜けるまで続いていました。事故現場を通り過ぎ、久しぶりに前方が開けたところでアクセルを捻り、RSに最後の疾走の機会を与えます。渋滞をさばくのに手間取り、再び私の後ろを追走するかたちとなったK1200Sが、ここぞとばかりに追い抜いて行きましたが追撃はしません。所詮彼とは住む世界が違うのですから・・・。

私とRSは、快適速度を維持しながら、音もなく大気の壁を切り裂いて、そのまま姫路まで帰ってきました。


あとがき

神戸の洋風建築といえば、北野の異人館や旧居留地のビルヂングなどが有名ですが、それより西の地域にも立派な洋風建築が点在しています。北野の異人館は半ば観光地化され、旧居留地のビルヂング達は今でも商業ビルとして活用され、ともに輝き続けているのに対し、それより西の地域の洋風建築たちは、それらに比肩しうる歴史的背景を持ちながらも、人々にほとんど知られる事なく、街の片隅でひっそりと余生を送るかの様にたたずんでいます。そういう一抹の寂寥感を身にまとい、哀愁を漂わせながらも建設当時の息吹をひっそりと今に伝えてくれる洋風建築たち。これらが朽ち果ててしまう前に、また解体の憂き目にあう前に、一つでも多くの洋風建築を眼にしておきたい。そう思えるツーリングでした。

ただ、残念な事に、「舞子倶楽部」が発見出来なかったので、ツーリングとしてはイマイチ締まりがない終わり方をしていましました。バイクの写真も撮っていなかったので、ツーレポではなく単なる旅行記の様な印象も拭えませんが・・・・。