足守を目指す旅

2005年08月06日() 走行距離270km Canon IXY DIGITAL450


私が毎週欠かさずチェックしているテレビ番組で、「走れ!ガリバー君」という関西ローカルの番組があります。内容の紹介は割愛しますが、この番組は西日本の隠れた名所を紹介してくれる事が多く、ツーリングの目的地選定の助けになる事があります。

先日も岡山県の足守を紹介しており、その町並みが魅力的だったので、ツーリングで訪れてみたいと思ってツーリングマップルで調べてみると、周辺にいろいろ見所もありそうだったので、足守を目指してツーリングにでる事にしました。


いきなり迷う

今回のツーリングでは、久しぶりに早朝の冷たい風を切って走る感覚を味わいたかったので、気合いを入れて午前5 :30にスタートしました。早朝の車が少ない道路を、快走するシーンを思い浮かべながら姫路パイパスへ上りましたが、何と本線は大渋滞!「何でこんな朝っぱらから渋滞やねん!」と思いながらも、その車列には加わりたくなかったので、本線には合流せず側道へ入って迂回し、国道2号線を使って西を目指す事にしました。電光掲示板を確認すると、渋滞の原因は事故だった様です。朝っぱらから迷惑な話です。

出鼻をくじかれましたが、仕方がないのでそのまま国道2号線オンリーで岡山を目指して走ります。早朝に走るのは、思い描いていた通りの気持ち良さで、エリミネーターで走り回っていた若き頃を思い出させてくれました。

本日最初の目的地は、JR東岡山駅の近くにある「雄町(おまち)の冷泉」です。暑い夏場のツーリングのスタートに、美味しい湧き水で喉を潤そうという魂胆でしたが、これがなかなか見つからなかったので、とりあえずコンビニで朝食を調達し、偶然見つけた「茶臼山ハウス」という休憩所で少し休む事にしました。

この「茶臼山ハウス」がある賞田という街は、「淡水魚保護宣言の街」という看板を掲げている事からもわかる通り、豊富な水量を誇る地域のようで、家屋も用水路を巧みに利用した造りになっているという興味深い町でした。

朝食をとりながらツーリングマップルを見直していると、信号の位置を勘違いしていた事がわかったので、これで「雄町の冷泉」までたどり着けそうです。

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雄町の冷泉

修正したルートを辿りってもやはり少し迷走はしましたが、なんとか「雄町の冷泉」へ辿り付きました。

駐車場にバイクを停め、早速「雄町の冷泉」を飲みに行くと、「飲用の際は、必ず煮沸して下さい。」との看板が・・・。

 

「マジで・・・?」

 

良く注意書きを見てみると、水道水基準に一部達していない項目があるため、生では飲めないとの事でした。これにより、美味しい湧き水で喉を潤そうという私の目論見は、もろくも崩れ去りました。朝の立ち上がりから大失敗です。

ちなみにこの公園は、「アクアガーデン」という名前がつけられており、水時計をはじめとして、いくつかの水に関連した遊具やアイテムなどが点在していました。

肝心の湧き水が飲めず、公園紹介のみに終わってしまった「雄町の冷泉」でした。

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後楽園と岡山城

気を取り直して次の目的地である後楽園を目指します。「日本三大庭園」の一つに数えられるだけあって、非常に規模が大きく、また芝生も美しい庭園でした。もともとは岡山藩主の静養の場、接客の場として利用されていた所です。

訪れた時間が早かった事もあり、人があまりおらず、のんびりと過ごす事が出来ました。中央に水路を通し、その中に美しい石を配した「流店」という建物では、水の流れる音が耳に心地よく、吹き抜ける夏の風とも相まって、いつまでもここで休憩をしていたいと思える気持ちよさでした。

ただ、後半は中国人の団体観光客がどっと押し寄せたため、静けさも一気に吹っ飛んでしまいました。

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岡山城は、豊臣家五大老の一人・宇喜田秀家が築城したもので、不等辺五角形の三重六階の天守閣は、織田信長の安土城を模したと伝えられています。黒い下見板張りの外観から「烏城(うじょう・からすじょう)」と呼ばれる事もある岡山城ですが、残念ながら昭和20年の空襲で焼失してしまったため、現在の天守閣は昭和41年に再建されたものです。それでも重厚な造りは健在で、天守閣の頂から見る岡山の町並みは格別のものがありました。

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大先輩との語らい

後楽園の駐輪場へ戻り、次の目的地へ向かう準備をしていると、「お〜」と私に手を振りながら、一人のライダーが駐輪場へ入って来ました。HONDAのCD80に乗った齢八十を迎えようかというお方でした。倉敷から来られたとても話し好きな方でした。

自分が免許を取った頃の事とか、二輪車に乗っているとボケなくていいとか、色んな話しを岡山弁で話してくれました。「バイク道」の大先輩との語らいは、とても楽しいものでした。この後備中高松城跡を訪れようと思っている旨を告げると、道順を丁寧に教えて下さいました。


備中高松城

大先輩に教えてもらった通りに国道180号線を走り、次の目的地の備中高松城跡を目指します。まだ岡山市内に近いため車と信号が多く、ストップ&ゴーの繰り返しで、メッシュジャケットを着ていても、風が通らず暑くてたまりません。

ようやく信号も少なくなり、周りの風景も山が多くなってきて、ツーリング気分が高まって来たころ、右手に巨大な鳥居が現れました。これが有名な最上稲荷の鳥居なんだろうか?と思いながら走っていると、間もなく備中高松城跡への案内看板が現れたので、その通りにバイクを走らせて、備中高松城跡の公園へたどり着きました。

備中高松城は、秀吉の水攻めで有名なので説明するまでも無いでしょう。公園の中央からは、当時の各陣営の布陣が確認出来るモニュメントがありました。この静かにたたずむ景色の中に、織田/毛利の陣営が対峙していたかと思うと、感慨深いものがあります。近くには城主の清水宗治の切腹の地や、宗治の首塚として祀られている本丸跡なども見る事ができました。

資料館が併設されていたので、記帳して中に入ると、「姫路とは、秀吉さんとゆかりの深いところからきとってんやなぁ〜。」と係の方が話しかけてきてくれたので、思わず話しがはずみました。そういえば、この地から秀吉の中国大返しが始まり、天下取りにつながったんですよね。

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足守

再び国道180号線を走り、最終目的地である足守を目指します。本来は国道429号線を走る予定だったのですが、どうやら道を間違えていた様で、県道 271号線を走っていました。この道は、農村地帯を走るのどかな道で、とても気持ち良く走る事が出来ました。道を間違えて逆に良かったのかも知れません。

足守は、旧足守藩侍屋敷や大名庭園である近水園など、足守藩三万石の風情が随所に見られる魅力的な街でした。近水園の吟風閣は、京都の仙洞御所を手本に造られたというだけあり、同じ仙洞御所を手本にした津山藩の衆楽園と良く似ていました。

ただ、知名度がそれほど高くないため、観光のために訪れている人はほとんどいませんでした。

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走りを愉しむ

最終目的地である足守の散策を終えたので、姫路へ戻る事にします。ただ、今回のツーリングはここからが走りどころです。まずは極上の走りを愉しむために 429号線を北上します。この辺りは交通量が非常に少ないので、ほとんど車につかえる事がなく、とても気持ち良く走る事が出来ました。そして国道484号線に合流してから山越えをし、八幡温泉郷の国際温泉会館で温泉に入りました。後楽園を歩いたり、街の散策などでかなり汗をかいていたので、温泉で身体を洗い流すと生き返った様な気持ち良さでした。

再び484号線を東に走り、途中にある岡山おみやげセンターで、ツーリングマップルにも載っているマスカットソフトクリームを食べました。バニラ派の私も充分満足できる味でした。この岡山おみやげセンターは、最近少なくなりつつある昔の風情を残したドライブインでした。こういうところには、まだまだ頑張って欲しいですね。

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国道484号線から国道374号線に合流したあとは、山陽自動車道の和気ICを目指してひたすら南下を続けました。ここでも他に走る車はほとんどなく、ほぼ私のバイクのみというロケーションが延々と続き、気持ち良い走りを愉しむ事が出来ました。

和気ICで山陽自動車道へ上り、あとは一気にノンストップで姫路まで帰ってきました。


あとがき

のっけからあてが外れたたツーリングでしたが、終わってみればなかなか良いツーリングでした。今回のツーリングは、秀吉との関わりが深いものでした。本文には登場しませんが、姫路バイパスの渋滞で迂回した際に、秀吉ゆかりの寺「湯だくさん茶くれん寺」の前を通ったのですが、思い起こせば今日のツーリングにピッタリの出来事でした。何か因縁めいたものを感じますね。